A Two-Dimensional Kinetic Triangulation with Near-Quadratic Topological Changes

Pankaj K. Agarwal, Yusu Wang and Hai Yu
Discrete and Computational Geometry
Volume 36, Number 4 / December, 2006
Pages 573-592
DOI 10.1007/s00454-006-1266-7


SoCG2004特集号から.


2次元点集合の三角形分割に対する運動データ構造 (kinetic data structure) の論文.
特に,三角形分割がグラフとして変化する回数 (トポロジー的変化) の上界とそれに関連するデータ構造 (およびアルゴリズム) を与えている.
点の軌道は各座標とも定数次数の多項式に従うとしている.
組合せ的変化 (点の削除,挿入,軌道の修正) は考えていない.


トポロジー的変化について知られている最良の上界はほぼ3次,下界は2次であった.
この論文では上界をほぼ2次に改善している.
データ構造としてはhierarchical fan triangulationという概念を導入してそれを用いている.
(保持する三角形分割はどんなものでもよいので,それをhierarchical fan triangulationに限定してるところが1つのポイントになっているようだ.)
それを用いて,各更新がO(log n)時間で行なえるようになっている.
データ構造は乱数を使用していて,トポロジー的変化は高確率でほぼ2次ということになっている.
どのように脱確率化 (derandomization) すればよいか,というのが未解決問題.