The degree distribution of the generalized duplication model

G. Bebek, P. Berenbrink, C. Cooper, T. Friedetzky, J. Nadeau and S.C. Sahinalp
Theoretical Computer Science
Volume 369, Issues 1-3, 15 December 2006, Pages 239-249
http://dx.doi.org/10.1016/j.tcs.2006.08.045


生命進化の理論モデルに対する理論研究.


プロテオーム・ネットワークとは,頂点がタンパク質を表わし,辺がタンパク質同士の相互作用を表わすグラフのこと.
S. Cerevisiaeという菌のプロテオーム・ネットワークの次数分布がべき乗則に従うことが近年発見され,その理論研究を促すこととなった.
つまり,ランダム・グラフとしてのプロテオーム・ネットワークの研究であり,べき乗則に従うランダム・グラフとして知られるpreferential attachementモデルが生命進化をモデル化しているわけではないので,生命進化に従ったランダム・グラフのモデルにべき乗則を発見したいわけである.
そのようなモデルは特に頂点を複製することにより進化し,それを最初に解析したのはPastor-Satorras, Smith, Sole (Journal of Theoretical Biology, 2003年) であり,彼らの論文はある種のべき乗則が成り立つことをsuggestした.
そのモデルを単純化したものを考えたのがChung, Lu, Dewey, and Galas (J. Comput. Biol., 2003年) で,その単純化モデルに対して彼らは次数分布が時間に依存せず,また,べき乗則に従うことをsuggestした.


この論文では,これら2つの論文でsuggestされたことが正しくないことを証明している.また,Chungらのモデルを少し変更することでべき乗則に従うモデルができることを示している.