オーダー記法:ちょっとしたクイズ 続き
数日前に出した「オーダー記法:ちょっとしたクイズ」ですが,いろいろコメントをいただきました.ありがとうございます.
たぶん聞き方が悪かったのかと思いますが「どこがまちがっているでしょう?」という問題なので,どこが間違っているのか,その箇所をピンポイントしてもらいたいのです.
例えば,
いまからひらがなを五十音順で書きますがどこか違います.どこがまちがっているでしょう?
「あいうえおかなくけこ」
ならば,まちがっている箇所は「な」です.理由はそこが「き」でなくてはならないからです.(例としてかなり不適切だと思いますけど,これぐらいしか思いつかなかったので.)
と,こんな感じで,どこが間違っているのかピンポイントしてもらいたいのです.1つ1つ等式や不等式を追っていったとき,どのステップの等式か不等式が間違っているのか,と.そしてどうしてなのか,と.言い方を変えると,ではどこまでは証明があってるのでしょうか,ということです.
その対比のために「オーダー記法:ちょっとしたクイズ補遺」があるわけです.
なんでそんなことにこだわるかというと,私が普段やっている「査読」というものはこういう作業も含んでいるからです.審査する論文の証明に間違いがあったとき,それがどうして間違っているのか指摘する必要があります.もちろん「間違ってる」と言うだけでは誰も納得させられないので,その理由を言うわけですが,そもそも証明しようとしている言明が間違っているなら,反例を挙げればよいです.しかし,「言明は正しいけれども,証明が正しくない」ということはよくあることです.読んでも読んでも正しいのか正しくないのか分からない証明っていうのはたくさんあり,その場合は本当に証明の間違いをピンポイントで指摘することで証明が正しくないことを説明する必要があります.「この等式の成立は一般に言えない」とか,そういうやつです.
ちなみに,最近査読した論文にこのような間違いがあったわけではありません.このクイズはオーダー記法について深く考えるようになったときに思いついたものです (3,4年前でしょうか).