supercon

http://www.gsic.titech.ac.jp/supercon/main/attwiki/index.php?Supercomputing%20Contest%202010

本選問題と結果を掲載しました.今回の問題は「レンガ敷き詰め問題」と名付けたものの,これはよく知られたドミノ・タイリングの数え上げです.

ドミノ・タイリング -> http://en.wikipedia.org/wiki/Domino_tiling

背景については「本選問題背景説明」に書きましたので,参照してください.基本目標「問題を理解しやすい」,「アルゴリズムの工夫をしやすい」,「順位がはっきりと決まりやすい」,「科学的背景がはっきりしている」の4つは達成できたと思います.

今回のコンテストの形式としての特徴は次の通りです.

  • 日程の変更:例年,8月の初旬に行っていたものを,8月の下旬に移しました.これは8月の上旬ではどうしても参加できない,という高専があったので,試行的な移動です.来年はどうなるか分からないです.これについてはいろいろとご意見をいただけるとありがたいです.
  • 数え上げ問題:最適化問題は面白くなりにくい,という感触を持っていたのですが,昨年の大規模データ処理の雰囲気を踏襲しつつ,厳密数え上げ問題に挑戦してみました.これは問題と解答を用意するのが大変で,6月頃からはほとんどこれしかしてません.海外出張中もこれをやってました.問題作成に協力して下さった皆さんに感謝します.また,数え上げ問題だと解いた結果の正しさを確認することが難しいので,今回は例題とその解答をはじめから提供することでデバッグが簡単になるようにしてみました.
  • 45分間の最終トライアル:一昨年同様「ブン回す」という方針で,45分間9ノード占有して計算してもらう,ということをしました.45分の間,真剣に競技をしている場面はすばらしかったです.運営側としては大きな問題が起きずに無事終了してよかったです.結果として,一昨年のときのように優勝チームがすぐに計算を終えてしまって,残り時間を無駄に過ごす,というようなことにならなかったのもよかったです.

以下,私の反省点です.

  • 動的計画法の理解がハードルになりすぎた:もう少し多くのチームが動的計画法の実装をできると思っていたのですが,実際,そうなりませんでした.たぶん,障害物がない場合の動的計画法サンプルがあればよかったのではないか,と思います.
  • 問題がスタンダードすぎる:予選も含めて,もっと独創性のある問題を作りたいものですが,独創性を高めると難易度も高まってしまうので,難しいところです.上に挙げて今回達成したと思っている4つの目標に「問題に独創性がある」ということを追加したいところです.
  • 休憩中の交流,特に中継:なにかよい案がありましたら,お願いします.
  • ジャンケン:異様に強い人がいる.

総じて,運営側の教員の皆さんには評判のよい問題と形式だったのですが,参加者の皆さんからあまり意見を聞けていないので,是非お聞かせ下さい.